バブル時期に、一番印象的なのがNTT株が新規上場をし買い注文が殺到した事です。
2カ月で1株値300万越え、こういった追い風もあり株のブームに拍車がかかっていきました。普段株をしない人までが買いに走るわけですから、株価はどんどん上がっていきます。
結 果、企業は、銀行から融資を受けなくなりました。何故ならばこれだけ株が売れるのであれば、株、社債を発行して、資金を調達した方が銀行から融資を受ける よりも有利になる。そして、銀行は、優良顧客を減らす結果になります。
銀行は、融資をし、その金利で成り立つもの、その流れが減るわけですから。
しかしながら、顧客自体、個人、法人にしても運用した儲けのお金がまた、銀行に預け入れする仕組みができあがってきたので、銀行には預金残高が増加していったのです。
銀 行は、新規客の開拓に必死になります。融資先ということです。土地の所有者など、何もない土地をもっている人など、マンションなどの建設話をしていくわけ です。
今までその気のない人たちが、その時代の流れなのでしょう、その気になり、土地担保にバンバン融資を受けていくのです。
こうして、景気の活性化が生じ、物の値段が上昇、給与も上がりと、浮かれた世の中ができ上がっていきました。
実状は、実体経済とは全く関係ないからくりであった事に気づくのは言うまでもないでしょう。
この頃、私は中学、高校時代を過ごしました。
「揺りかごから墓場まで」と終身雇用の例えをよく聞いたものです。
また、その当時の大学生は就職に苦労する事なく、逆に企業から会社に来て下さいと声が掛かるほどでした。
1990年、当時の大蔵省が総量規制を敷く事になります。
これは急激に高騰した土地の価格を抑える目的です。
故に、銀行にも不動産関連融資の抑制があったわけです。
これを期に、土地の価格はさがり、株価も下がる。
景気後退の始まりであった事は言うまでもないでしょう。
俗に、バブルがはじける現象です。
その後、氷河期の時代を迎えて行く事となります。
就職がない…また、リストラという言葉まで出てきました。言うまでももなく世の中は不景気です。
そして、インフレからデフレの現象へ。
不良債権を抱えまくった結果、銀行が潰れ、また、証券会社まで潰れる…誰が予想してたでしょうか?
そんな中でも、堅 実かつ、企業の業績が良いときこそ、次の取り組みをした所が生き残っていったと思います。
以前カンブリア宮殿の中で、現状への安住は後退を意味する、グン ゼの兒玉社長はおっしゃっておりました。最近では、役員を外から起用する、系列会社から抜擢、また、同族で固めてた所を同族以外から抜擢など。
多方面からのマネジメント経験者の起用により斬新な発想、業績向上を求めているのでしょう。それと、組織的強化、拡大に伴い、執行役員の数も企業に多く見受けられます。私自身は、素晴らし試みだと思っております。
最後に、経済はどうしても数字で判断されてしまいます。
特に日経平均株価の上昇だけをみても景気の回復だとか景気が良くなってるだとか、また、実際にも大手輸出関連企業は、円安の影響などで経常利益が上向きの所も多いかと思います。
これも、政策の結果かもしれません。しかしながら、実体経済との乖離がない時代を期待したいものです。
Tadokoro